最後の将軍―徳川慶喜
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最後の将軍―徳川慶喜
司馬 遼太郎
文芸春秋 刊
発売日 1997-07
価格:¥500(税込)
結果的に「最後」を担う者は哀しきものなり 2004-03-25
「大政奉還」を行い江戸時代を終焉させた男。徳川慶喜に対する教科書仕込みの知識はこれだけだった。幕末を迎えた将軍たちには過去の威厳や栄華はもはやなく、大奥や家臣たちに利用されるだけの軟弱な人々。・・・清王朝最後の皇帝の生涯を描いた映画「ラスト・エンペラー」の印象が刷り込まれているためか、慶喜も薩摩や長州がバックについた朝廷に脅されて泣く泣く幕府を解体させた将軍というイメージを抱いていた。が、本書を一読して驚いた。当代随一のマキャベリストとして切磋琢磨する人物だったのである。幕府の崩壊は避けられないことを予期しながらも、将軍職に就くやり切れなさ。外国の列強と戦を交えたら勝ち目がないことをいち早く見抜き、攘夷至上主義者たちと列強との板ばさみに合いながら、妥協点を見出すことに活路を開くべく奮闘する孤独な背中。天賦の才覚がありながら、結果的に損な役目を引き受けざるを得なかった皮肉な運命。読み終えた後、深いため息がこぼれた。
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この記事は2006/5/30に作成しました。
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